Q1 STONEMASTERがはじまったきっかけを教えてください。
Q1 STONEMASTERがはじまったきっかけを教えてください。
2018年の春頃だったと思います。STONEMASTERの日本窓口を担当されている会社から相談を受けたのが始まりでした。それ以前にSTONEMASTERは一度日本で展開されていましたが、当時はアメリカ製の商品として開発されていました。しかし、工場の火災によりブランドは約10年間休止状態となっていたのです。そこで「日本企画でリブランディングを進めたい」との相談を受け、プロジェクトがスタートしました。
Q2 STONEMASTERをはじめた際、初めの企画段階でこういったプロダクトを目指そうといったものはありましたか?他のアウトドアウェアとは違う魅力があると思っています。
まずは、創業者であるマイク・グラハム氏が歩んできた歴史を深く理解することに努めました。このブランド名は、彼が所属していたヨセミテの伝説的なクライマー集団「STONEMASTER'S」から取られています。その背景には畏敬の念があり、「単にカッコイイだけでは済まされない」という強い想いがありました。 そこで、彼らの歴史やスタイルをしっかりと頭に叩き込み、それを商品にどう反映させるかを考えました。当時の雰囲気やスタイルを取り入れながら、プラスアルファ、私が得意とする機能性を加え、現代でも受け入れられる商品へとアップデートすることを目指しました。
Q3 マイク・グラハムさんがデザインされた箇所ですと、フロントのJポケットやヒップポケットの形等だと聞いていますが "この部分でのリクエストが特に多い "などはありますか?今デザインに関してマイクさんの関与はどのくらいでしょうか?
全体的なデザインというよりも、細部の拘りは強いと思います。そこは変にいじらず、どう活かすか、残すかは意識しました。
※マイクさんが拘ったフロントのJポケット。
※少しゆがんだヒップポケットもマイクさんが起こしたスケッチデザインからによるもの。
Q4 随所にみられるギザギザのステッチも、STONEMASTERならではですが、普通にミシンの進みを考えると縫うにもとても大変そうです。このステッチを採用した理由はなんでしょうか?
このギザギザステッチはヨットの帆などで使われるステッチ技法です。通常のステッチに比べ強度性が増します。洋服の場合、強度性が低い生地には適さない縫製です。マイクのメッセージとしては、タフさの表現だったんだろうと思います。
Q5 僕らはSTONEMASTERの中でもALPHAのシリーズがとても気に入っていますが、この素材の魅力をおしえてください。
保温性や軽量性、そして蒸れにくさ。この3点がアルファの特徴です。私は幸運にも、アルファが市場に登場した初期の段階で、商品テストを行う機会を得ました。ジャケットにおいては、その性能が十分に活かされることは明らかで、他にもダウンや中綿といった選択肢が数多く存在する中、アルファの可能性を強く感じました。 当時、アルファの良さを最大限に伝えるためには、直接肌でその性能を体感していただく必要があると考えていました。そして、特にパンツにおいては、日常使いが難しい素材が多い中、アルファは非常に適していることに気づきました。また、寒さ対策として足元を暖めることの重要性を常々感じていたため、まずはパンツでアルファを提案することにしたのです。それまで私は冬には必ずレギンス(インナーパンツ)を着用していましたが、アルファとの出会いをきっかけに、レギンスを必要としなくなりました。パンツというアイテムを通じてアルファの良さを肌で実感していただけたことが、多くの方にその魅力を広めるきっかけとなったのではないかと思っています。
Q6 ピグメントや製品染めのアイテムが多いですが、どういった理由からでしょうか?マイクさんが昔手掛けていたGRAMICCIも昔のカタログを見るとピグメント染めだらけでした。普通に考えると色落ちを嫌う人もいそうですが、、。
マイクさんが製品染めを好んでいたことが、まず一つの理由です。そして私自身も当時、さまざまな機能性あるウェアを取扱う中で、無機質な素材に少し飽きていました。語弊があるといけませんが、STONEMATERの裏テーマとして「ちょっとダサい」という要素を意識していました。その方がむしろ「気取らず、自然体でかっこいい」と感じたからです。 世の中にはスマートで洗練されたブランドがたくさんありますが、STONEMASTERにはもっとラフに気楽に、ガンガン使い込んでもらいたいという思いがありました。着るほどに自分らしい風合いに変化し、デニムのように長く愛用できる。そんな機能素材を目指して、製品染めを積極的に採用しました。
Q7 パッカリングの出る表情もSTONEMASTERアイテムの大事な要素だと思っていますが、合っていますか?
はい、製品染と同じ考えです。シワも自分の癖が出た方がむしろかっこいいし、世に1つとない色になると思います。
Q8 STONEMASTERをこう着てくれたら等、おすすめしたい着こなしはありますか?
これも前述に繋がりますが、まずは気にせず、デイリーでガンガン使って欲しいです。セットアップもおすすめですが、例えば同系色で、ジャケットが無機質な表情の生地、パンツが製品染めとか。表情のミックス感は面白いと思います。
Q9 一番気に入っているアイテムはなんでしょうか?
個人的にはSM PANT POLARTEC® Alpha® Pigment Dyedです。新潟の友人に「雪でも使いやすいのが欲しい!」と言われ、今季新作として、表地に撥水素材を採用したSM PANT Nylon Rip POLARTEC® Alpha®をリリースしました。防水生地にまでしちゃうと、軽量性や履き心地にどうしてもマイナスになってしまう為、あえて薄くて強度性ある撥水ナイロンを採用しました。
※今季新作に採用したNylon Rip POLARTEC® Alpha®。PANTSと同素材でジャケットも揃う。
Q10 HIGH STANDARDはワークやミリタリー等様々なアイテムを扱っていますが、そんな中にSTONEMASTERが並ぶことをどう感じられますか?
本当に嬉しいです。STONEMASTERは、マイク・グラハムさんが立ち上げたアメリカ発祥のブランドです。現在は商品企画を日本で行っていますが、私はマイクさんの歴史を自分なりに解釈し、可能な限り「STONEMASTERらしさ」を大切にしながら商品を作り上げてきました。もしその方向性が間違っていたら、インポート色が強いHIGH STANDARDでは受け入れていただけなかったのではないかと思います。
マイク・グラハム氏の実際の写真
リップストップの表地へとアップデートされた、定番のPOLARTEC ALPHAシリーズ。
裏地に採用されてるのは、数百種類とも言われるPOLARTEC社のファブリックの中でも、"行動できる保温着"と位置付けられるPOLARTEC
ALPHA。
"直接肌に触れることができる中綿
"と称されるこの素材は、元々はアメリカ特殊部隊用に開発されたもの。圧倒的な保温性であると同時に、衣類内にこもった余分な熱や汗による蒸れを外に逃がし常に快適な状態を保ちます。
アウターを干渉しないスッキリとした首元で、真冬の中着にも最適なSWINGTOP
JACKET、
そしてテーパードの効いた抜群のシルエットとバックポケットへのパッカブル仕様を兼ね備えるALPHA
PANTS。
上下それぞれでのご案内ですが、是非セットアップでどうぞ。
SM パンツ ナイロンリップ Polartec Alpha(1011051)、
SM SWINGTOPジャケット ナイロンリップ Polartec Alpha(1011052)と同じく、裏地にPOLARTEC ALPHAを用いたアイテム。
数百種類とも言われるPOLARTEC社のファブリックの中でも、"行動できる保温着"と位置付けられるPOLARTEC
ALPHA。
"直接肌に触れることができる中綿
"と称されるこの素材は、元々はアメリカ特殊部隊用に開発されたもの。圧倒的な保温性であると同時に、衣類内にこもった余分な熱や汗による蒸れを外に逃がし常に快適な状態を保ちます。
ここまでならさほど珍しくないですが、それを丸ごと製品染め。
繊維が細く通常のフリース以上に加工温度調節が難しいとされてるPOLARTEC
ALPHAへの製品染めは、ストーンマスターが世界で初めて商品化に成功しました。
"水を滑らせて雨を避ける、稲から作られた蓑(ミノ)"
日本古来の雨具である蓑からヒントを得て、生地の表面張力が低減するよう凸構造を付与することで撥水機能を搭載させたMinotech(ミノテック)というファブリックがあります。
そんなMinotechから成るジャケットとパンツのコンビネーション。
表地を水が滑るだけでなく、一般的な防水構造と異なりノンラミネート加工となる為、身体から発する蒸気を素早く外側に逃し身体を快適な状態に保ちます。
裾のドローコードで丸く着ることもできれば、フードは付け外しが可能でパッカブル仕様。非常に軽量で、1年中で重宝するジャケットです。
同生地のパンツはカーゴタイプとなり、ジャケットと同じくポケットへ収納が可能。
多少の雨程度なら充分すぎる程の撥水性に、GORE-TEXに代表されるような透湿機能、そして計算されたシルエットと快適なストレッチ性まで。
カーゴタイプのコーデュロイパンツ。ポリエステル特有のサラッとした軽い質感で肌触りも良く、通年で履ける便利な1本です。裾にかけてテーパードの効くSTONEMASTERらしいシルエットで、中畝のコーデュロイの雰囲気も相まって存在感は抜群。