もとはスポーツウェアとして作られたものが海外から日本に渡り、今や人々にとってなくてはならない
ファッションアイテムとして浸透したスウェット。性別や世代、流行り廃りを超えて愛され、デイリーウェアとして活躍するスウェットアイテムを、聖林公司が改めて未来を見据えて再構築。スウェットのさらなる魅力を深掘りしたプロダクトについて、そのこだわりと魅力を聞いてみました。
「実は、聖林公司の定番商品であるストレッチフライスがきっかけでした。ストレッチフライスとは、もともとデイリーに使えるアンダーウエアとして作られたのですが、それと同じように気兼ねなく普段使いできるうえ、これから10年、20年先まで店頭に置いていても遜色の無い、誰もが着られるアイテムとしてスウェットを改めて作りたいと思いました。
現在、よく見かけるスウェットというと、日本の気候変化に合わせて起毛を掻いたものが多い気がしますが、そうではなくとにかくスタンダードであることにこだわりました」
「今現在、オーバーサイズが流行していますが、あえてトレンドは取り払い、スタンダードな形に持っていく。なおかつ、スウェットですから着易いもの、着心地を追求したときにストレッチ部分は必須だなと。
しかし、いわゆる普通のストレッチは昨今、どこでもあるので、聖林公司ならではの着て驚くようなストレッチが欲しいなと思い、生地屋さんと一緒に一から作ることになりました」
「生地はもちろん、形も試行錯誤し、企画段階から約一年かけてようやく納得できるモノになりました。中でも特に苦労したのは、ストレッチの伸びたあとの部分。普通だとそれが出てしまいますが、そうならないように仕上げることに一番苦労しましたね。
またデザイン面では、ストレッチフライスにもある“H”の刺繍をうまくアイコン的な要素で使いたかった。さらにどんなシーンでも着用できるイメージにしたかったので、あえて身生地と同色の刺繍にしました。あとはネック部分、タグだと首回りが煩わしいので、肌に干渉しないプリントネームにしています。
動きやすく、着心地を良くするに為に、パターンや素材使いにはこだわり抜いているので、手に取ったときには細部まで注目してほしいです」
「デイリーなトレーニングウエアとして上下着用しつつ、出かけるときはサクッと上からコートを羽織り、外へ飛び出すような軽快さをイメージしています。
今の世の中、物をつくる事はわりと簡単かもしれません。
しかし、その中でも流行の商品ではなく、いつ行っても誰もが欲しがる商品を作り続け、定番にしていく事は
今後も課題です。
このスウェットが20年先も着られる、未来への贈り物のような商品になっていけば嬉しいですね」